早めの暑さ対策で、夏を元気に過ごしましょう: 「熱中症予防の7か条」

熱中症は気温が高いなどの環境下で、体温調節の機能がうまく働かず、体内に熱がこもってしまうことで起こります。2013年の6月から9月にかけて熱中症で救急搬送された人はおよそ5万9000人で、そのうち88人の方が亡くなっています。小さな子どもや高齢者、病気の方などは特に熱中症になりやすく、重症になると死に至ることもあるのです。今回は、熱中症にならないために、内閣府政府広報室が運営する政府広報オンラインより、「熱中症予防の7か条」をお伝えします。

熱中症予防の7か条

(1)暑さを避ける
屋外では、日陰を選んで歩いたり、日傘をさしたり帽子をかぶったりしましょう。また、屋内での熱中症を防ぐため、扇風機やエアコンを適切(設定温度28度以下、湿度60%以下)に使ったり、すだれやカーテンで直射日光を防いだりして、暑さを避けましょう。

(2)服装を工夫する
汗を吸収してくれる吸水性に優れた素材の服や下着を着ましょう。また、えり元はなるべく緩めて、熱気や汗が出ていきやすいように通気しましょう。

(3)こまめに水分を補給する
暑い日には、知らず知らずのうちに汗をかいているので、こまめに水分を補給することが大事です。たくさん汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩あめ、塩タブレットなどで水分とともに塩分も補給しましょう。なお、アルコールは尿の量を増やし体内の水分を排出してしまうため、ビールなどで水分の補給はできません。


(4)急に暑くなる日に注意する
梅雨の合間に突然気温が上がった日など、体がまだ暑さに慣れていないときは、熱中症が起こりやすくなります。暑さには徐々に慣れるように工夫しましょう。

(5)暑さに備えた体づくりをする
日頃からウオーキングなどで、汗をかく習慣を身に付けておくと、暑さに対抗しやすくなり、熱中症にもなりにくくなります。

(6)個人の条件を考慮する
熱中症の発生には、その日の体調が影響します。前の晩に深酒をしたり、朝食を抜いたりした状態で暑い環境に行くのは避けましょう。風邪などで発熱している人や下痢などで脱水症状(※)の人、小さい子どもや高齢者、肥満の人、心肺機能や腎機能が低下している人などは熱中症を起こしやすいので、暑い場所での運動や作業を考慮する必要があります。
※脱水症状:発熱や下痢・おう吐、運動などによる激しい発汗などにより、体内の水分や塩分が大量に失われた状態。脱水症状になると、頭痛やめまい、倦怠感などの症状が現れ、重症になると意識を失うこともあります。

(7)集団活動の場ではお互いに配慮する
集団で活動する場合には、お互いの配慮や注意も必要です。暑い場所での作業や運動は、こまめに休憩したり、一人一人当たりの作業時間を短くしたりしましょう。活動の後には、涼しい環境で安静にするなど、体温を効果的に下げるように工夫しましょう。



子どもと高齢者はさらに注意を!

小さい子どもは、体温調節機能が十分に発達していないうえ、身長が低いために地表面からの熱の影響を受けやすく、大人よりも熱中症になりやすいので、特別な注意が必要です。
高齢者は、暑さを感じにくい上に、体温調節機能の大切な役割を果たしている発汗と血液循環が低下し、暑さに対する抵抗力が少なくなっています。また、のどの渇きを強く感じないため、水分不足になりがちで、気づかないうちに熱中症を起こしてしまう場合もあります。
熱中症は屋内でも起こります。小さい子どもや高齢者、病人がいる家庭では、適切にエアコンを利用しましょう。